チェロ組曲


J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲全曲


『未来のチェリストたちへの最高の贈り物』
1991年フランスの教会で録音。この時ロストロポーヴッチは63才。自身最初のチャプターで語っているが第2番を40年前モスクワで、そして1960年にニューヨークで第5番を録音しているが全曲録音は初めて。そして以前の2回の録音を『どちらの場合も自分を許せない』と言っている。

全てのチェリストにとって、そして当然ロストロポーヴッチにとってもこの6曲の組曲は特別な存在だ。その特別な存在を1曲1曲自らのコメントを挟みながら、教会を借り切り、その自然なエコーの中、映像とともに残したということに彼の強い意志を感じる。彼は演奏もするが、それ以上か同等にこの聖典について多くを語る。そういう作品である。時に自身ピアノを弾きながらバッハの深淵について語り続ける。故に日本語の字幕が必要不可欠で日本語版でないと全容把握は難しいと思う。

演奏は実に深遠だ。その演奏に『単なる』のチェリストとしての彼は微塵も感じられない。物理学者アンドレイ・サハロフを擁護し、ソルジェニーツィンに別荘の車庫を仕事場として提供し、4年間かくまった男のチェロに他ならない。1978年から1990年までソビエト当局により国籍剥奪されても自ら正しいと信じるもののために生きた男の人生がチェロを弾いているのだ。稀代のチェリストの運指とともに残された演奏は、未来のチェリストたちへの最高の贈り物だろう。


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