イマージュ


イマージュ


「1枚目にはバッハ、2枚目にはそれ以外」という明快さ。聴く側にとっては便利な編集方針だ。そのときの気分によってどちらを選ぶかがすんなり決められる。バッハ篇は変化があって親しみやすい「イタリア協奏曲」から。きびきびとした第1楽章、内省的な第2楽章、スピード感あふれる第3楽章。じれったくなるような遅いテンポでポツポツ弾かれる第2楽章でグールドのユニークさはすでに明らかだ。しかし、彼の弾くバッハでテンポやアーティキュレーション以上に興味深いのは、その後に続く曲を聴き進めるうちにはっきりと感じられるようになっていく独特の音色。ペダリングやタッチの工夫、楽器の改造やレコーディング技術の駆使によってグールドが追い求めたのは、軽く、すっきりとして、ちょっと鼻にかかったようなところのあるニュアンス豊かな音色だった。グランドピアノの豊麗で丸々とした響きが、繊細な彼には少々でしゃばりに思えたのかもしれない。音色でいえば、2枚目に入っているシベリウスのソナチネも注目に値する。薄くもやがかかったようにぼやっとした残響感。夜露の残る山野に響く狩りのホルンのような音色をピアノから引き出したかったのだろう。大バッハの息子カール・フィリップ・エマヌエル・バッハの作品も2枚目。偉大な父親に比べれば聴かれることの少ない作曲家ではあるが、ここに収録された「ヴュルテンブルク・ソナタ第1番」は多くの人に好まれそうな曲だ。ムード・オーケストラのレパートリーに入ってもよさそう。(松本泰樹)


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