ピアノ
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番

『甘美ではあるが決して通俗的ではない演奏』
このタマーシュ・ヴァーシャーリのピアノによるラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番』はいいですね。1975年の録音で、ユリ・アーロノヴィチ指揮、ロンドン交響楽団による演奏です。1000円という廉価盤ですので、お値打ちだと感じました。
第1楽章はテンポもゆったりでとても大きな音楽世界を表現しようとしています。ハンガリー人のヴァーシャーリは、力量があるピアニストですね。ピアノの粒立ちは明確で、緩やかに流れる箇所をとても丁寧に弾いています。表現力の幅もあり、ロシアの大地の香りは十分に伝わってきました。細かいパッセージも明確に弾いていますし、ロマンティックなメロディも朗朗と歌い上げており、私のラフマニノフのイメージにピッタリと当てはまるような演奏表現でした。
第2楽章はロマンティックで甘美な音楽が展開されています。優美さが必要ですが、それだけでは表現が足りません。哀愁を帯びた切ない音楽を嫌味にならないように甘く美しく弾く事が肝要ですが、感じよく響いてきました。
第3楽章も抒情的で美しいピアノを聴かせてくれます。オーケストラとピアノの両方が同じ音楽観を持たないとピアノ協奏曲は上手くいきません。そこに難しさがあるのですが、この演奏は真っ当でした。クライマックスへの駆け上り方も躍動感に満ち溢れており、熱の入った演奏が臨場感たっぷりに伝わってきます。
ミニチュア・スコアを見ながら聴けばよく分かりますが、ピアノの譜面は本当に難しいですね。ピアノ協奏曲ですから当たり前なのですが、ピアニストの技量と音楽観が如実に問われる曲です。指揮者とピアニストの構想力の競い合い、という性格を帯びた曲でしょう。
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