ムター
ムター・ベルリン・リサイタル / 美しい夕暮れ

『成熟したムターの現在と未来』
ムターの先夫が亡くなってしばらくたってからのリサイタルだからというのでもないが、ムターの勁く艶やかな美音が一際ふくよかな一枚だ。
まずプログラムが素晴らしい。4名の作曲家が1楽章ずつ書いていった「FAEソナタ」のブラームス担当分=スケルツォから始まり、繊細さと力強さを要求するドビュッシーのヴァイオリン・ソナタはピアニストと一体となり、モーツァルト唯一の短調のヴァイオリン・ソナタホ短調は、愛する母親の死という作曲家の悲しみのヴェールにどこか包まれ典雅な悲歌に響きます。
フランクの傑作ソナタに関しては「もっと内向的な情念を」と言う人がいるかもしれない。しかし大人の女性として成熟した彼女には外に向かって言うべきことが詰まっているのです。
たぶんアンコールで弾かれたハンガリー舞曲も炉真人の音楽というより、現代メトロポリタン生活を享受した人間としての率直な表明というべきでしょう。粘っこいリズム処理が彼女独特。
その末にたどり着くBeau soir ("Lorsque au soleil couchant les rivi?res sont roses"), song for voice & piano, L. 6 のドビュッシー的メディテイションは、彼女の将来を予見しているかのよう。
素晴らしい一夜をあなたに。
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